電子インボイスについては、弊社最新規定No.81と101(以下参照)にてお知らせしています。現在、電子インボイスの使用義務に関する政令の発行が遅れていますが、先行して使用する会社が見られます。そこで、今回は、電子インボイスを利用についてご説明いたします。
1.適用条件
1)法令上
企業が電子インボイスを適用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 税務申告、もしくは銀行取引に電子取引を利用していること
- 電子インボイスの検査、処理、利用、保存などが可能な設備を有すること
- 電子インボイスの作成し利用することが出来る人材を有すること
- 法律規定に従って電子署名を登録していること
- 会計ソフトウェアに連動する商品販売及びサービス提供用のソフトウェアを有すること
- データーのコピー、回復、保存プロセスを有すること
2)現時点の実務
ベトナム政府は電子インボイスの使用を奨励しているものの、税務局認証コード付きの電子インボイス(*)が制度化されていないため、(印刷業者の)注文インボイスもしくは自己印刷インボイスを使用している企業に限り、上記の条件を満たせば、電子インボイスの使用が認められているようです。*)税務局の認証コード付き電子インボイス税務リスクの高い事業を行う企業は、電子インボイスを作成して、税務局からの認証コードを受領するために税務局にインボイス情報を送付しなければいけない(通達26-3条3項)。
2.使用申請手続き
企業は、電子インボイスの使用許可を得るために、書面もしくは電子書類にて税務局に申請書類を提出します。次に、電子インボイスを発行を目的として、税務局に届出を行います。
3.使用時の流れ
売手は、政府指定の業者より、電子インボイスを作成するためのソフトウエアを自らのPCにインストールしてもらいます。その後、概ね以下の手続きをインボイスの作成の度に行います(説明上、売手の従業員であるThuy氏をインボイス作成者、田中氏をインボイスを承認者とする)
*1)電子署名:電子税務申告用のトークンを使用することで電子署名の役割を果たし、電子インボイス上では署名ではなく、バーコードが表示される。
*2)電子インボイスの送付:売手は電子インボイスを①Eメールで送付する、もしくは②郵送することができる。なお、一部大手ローカル企業(例:Viettel)では、自らのWEBサイトを構築し、買手がアクセスして電子インボイスをデータで入手する方法も行われている。
4.おわりに
電子インボイスは、保管・修正・送付等において事務負担が大幅に軽減することになります。一方で、会計システムと連動しているため、在庫を有する企業では、在庫仕入の計上が遅れゼロの状態ではインボイスを使用することができない等の問題点があります。導入を検討される際は、事前に専門家に相談されることをお勧めいたします。