2018年7月1日より技術移転契約は科学技術省に登録する必要がありますが、そもそも、その対象となる「技術」にはどのようなものが該当するのでしょうか。本件に関して、2018年9月28日にて、科学技術省は公文書3050/BKHCN-DTG(以下、公文書3050)を発行しています。
1.登録義務のある技術移転
2018年7月1日に施行された改正技術移転法により、外国からベトナムへの、独立した技術移転契約、もしくは①投資プロジェクト②技術による出資③フランチャイズ合意④知的財産権の移転⑤機械設備に付随する技術、のいずれかのケースにおける技術移転の部分は、科学技術省に登録する必要があります(31条1項)。
2.登録義務のある「技術」とはそもそも何か
上記1の登録義務のある技術とは、そもそも、どのようなものが該当するのでしょうか。改正技術移転法の2条2項によると、技術とは「資源を製品に変換するために利用される解決策、プロセスもしくは技術ノウハウのことであり、道具や設備に付随しているか否かは問わない」と定義しています。日系大手メーカ向けの公文書3050では「ショールームのデザイン図面やコンピュータソフトウエアは、製品を管理もしくは保存する目的で使用されるものであり、製品の製造過程において直接的に使用されるものではないため、技術には該当しない」としています。
3.おわりに
上記2の定義に該当する技術を上記1の形態で移転する場合は、科学技術省への登録が必要となります。税務調査において技術移転の登録を怠っていると指摘された場合、技術移転に伴うロイヤリティの支払いは、損金として認められない可能性があります。したがって、自らの技術移転の登録義務が不明確な場合は、科学技術省へ事前に確認することをお勧めいたします。