本日のテーマは「DICAからFICAへー名称変更で何が変わったのか」です。本件に関して、以下の法令に基づきご説明いたします。
- 通達38/2026/TT-NHNN:2026年8月18日より施行
- 通達03/2025/TT-NHNN:2025年6月16日より施行
- 通達06/2019/TT-NHNN:通達38により廃止
1.直接投資資本口座(DICA)
外国為替管理法令によると、ベトナムにおける外国直接投資とは、外国投資家がベトナムで投資するために資本を移転し、その投資活動の管理に参加することをいう。また、DICAとは、外国直接投資企業(または外国投資家)が、外国直接投資に関連する取引を行うために、認可銀行に開設する決済口座をいう(通達06-3条5項)。
■開設対象(通達06-5条1項、通達03-11条3項)
外国直接投資企業
- 外国投資家が出資者または株主となって設立され、投資法に基づきIRCの発給を受けた企業
- 上記以外で、外国人投資家が定款資本の50%超を保有する企業
- 外国投資家が設立したPPP事業企業
外国投資家
- BCCに参加する外国投資家
- 事業会社を設立せず、PPP事業を直接実施する外国投資家
■対象となる投資活動
- 外国直接投資に関連する取引
2.DICAからFICAへ:名称変更で何が変わったのか
通達38号は、2026年8月18日以降、DICAという名称を「ベトナムにおける外国投資資本口座(”FICA”)」に置き換え、その対象者および適用範囲を拡大している。
以下、青字で示した部分が改正箇所である。
■開設対象(通達38-6条1項)
- 外国投資家又はベトナム国際金融センターの加盟企業(”IFC加盟企業”)が、投資法等に従って設立した企業
- 出資、株式・持分取得により、外国投資家又はIFC加盟企業が定款資本の50%超を保有する企業
- 外国投資家が設立したPPP事業企業
- BCCに参加する外国投資家およびIFC加盟企業
- 事業会社を設立せず、PPP事業を直接実施する外国投資家
- 国または政府の名義で締結された石油契約等に参加する外国投資家
■対象となる投資活動(通達38-3条3項)
- 外国直接投資に関連する取引
- ベトナム国際金融センターから、ベトナムのその他の地域への投資活動に関連する取引
3.おわりに
長年使われたきた「DICA」という名称はなくなったが、外国投資資金を専用口座で管理する制度は存続する。新たなFICAは従来のDICAの役割を引き継ぎ、国際金融センターの加盟企業による投資や一定の石油事業を対象に加えた。また、一定の場合にはIRCの発給前でも口座を開設できる。
口座名から「直接」という文言はなくなったものの、すべての外国投資をFICAで扱うわけではない。外国投資家による間接投資には、引き続き間接投資口座(IIA)を使用する。