本日のテーマは「2025年法人税法:損金算入費用の必要証憑」です。本件に関して、財務省は2026年3月12日、2025年法人税法の詳細通達20/2026/TT-BTCを公布しています。本通達は同年3月12日に施行され、2025年度から適用されます。
なお、2025年度における損金算入費用に関して、以下の経過措置が設けられています。
旧通達(通達96)に個別に定められる要件および証憑に基づき、2026年3月12日以前に発生した損金算入が可能な費用は、引き続き旧通達に従って取り扱われる。
旧通達(通達96)に個別に定めがない要件および証憑に基づく損金算入が可能な費用は、現行法に基づくインボイスと証憑を整備する必要がある。
1.費用の一般控除要件
ベトナムの法人税法においては、一般的な損金算入に関する基本規定が設けられており、以下のすべての条件を満たす費用は損金として認められる。
①事業関連性
事業に関連して実際に発生した費用であること
②インボイス・証憑の整備
正規インボイスおよび法規制に基づき要請される証憑により証明できる費用であること
③非現金決済
500万ドン以上の物品・サービスおよびその他の購入で、非現金決済を証明する支払証憑があること
2.必要証憑の具体的取扱い
通達20において、特定の取引に関する必要証憑が具体的に整理されている。
■ 生産者から直接購入した農林水産物等
農林水産物を農家・林業従事者・漁業者から直接購入する場合、一定の手工芸品を生産者から直接購入する場合、廃棄物回収者からスクラップを直接購入する場合、または(上記以外の)世帯や個人からVAT課税対象外となる売上規模(2億ドン以下)である物品を直接購入する場合、必要証憑は、以下の通りとする。
支払証憑(会計・インボイス関連法令に準拠)
*各世帯・個人ごとの1日当たりの購入金額が500万ドン以上の場合は非現金決済が必要になる。
購入明細表(様式02/TNDNにて作成)
*企業の法定代表者または権限者にて署名する。
■ 従業員の立替払い
企業が従業員に対し、事業活動に必要な物品・サービスの購入を委任し、当該購入金額が500万ドン以上であり、従業員が非現金決済により支払った場合、以下の証憑を備える必要がある。
支払証憑(会計・インボイス関連法令に準拠)
企業の財務規程・内部規程・決定書(従業員の立替払いを明記)
非現金決済の証憑(従業員から仕入先への支払い)
非現金決済の証憑(企業から従業員への支払い)
■未払費用の非現金決済証憑の取得時期
500万ドン以上の費用の計上時点で未払いであっても、「売買契約書」および「引渡証憑」があり、支払時に非現金決済の支払証憑を取得すれば、当該費用は損金算入が認められる。
■ 個人からの資産貸借
企業が個人から資産を賃借する場合の証憑は、「賃貸借契約書」および「賃料の支払証憑」が必要である。さらに、賃貸借契約において、賃料が税抜(VAT・PITを含まない)とされ、かつ企業(借主)が当該個人(貸主)に代わって税金を納付する場合は、当該税金の支払証憑も必要となる。
3.おわりに
実務上問題となりやすい取引の取扱いが、以前は公文書により案内されていたが、本通達により明文化された。特に、従業員の立替払いや個人大家からの事務所・住宅の賃借は実務上多く見られる取引なので、必要証憑について再度することが重要である。