ベトナム企業の名称は3種類あり、一定のルールの下に設定されていることをご存知でしょうか。本件に関して、現行企業法Law 68/2014/QH14(以下、法)に基づいてご説明いたします。
1.会社の名称の付け方
現行企業法によると、企業の名称は3つあり、以下の順番で設定されます(法38&40条)。
- ステップ1:ベトナム語名を確定 ⇒以下にて一定のルールあり
- ステップ2:外国語名の確定⇒ベトナム語名の翻訳
- ステップ3:略称の確定⇒ベトナム語名もしくは外国語名の略記
ステップ1:ベトナム語名を確定
企業のベトナム語による名称は、以下の2つ要素から構成されます(法38条1項)。
- 企業形態の名称:有限会社では「công ty trách nhiệm hữu hạn」又は「công ty TNHH」
- 固有の名称:①ベトナム語の文字表にある各文字、②“F、J、Z、W”の各文字(ベトナム語の文字表にないアルファベット)、③数字、④記号から構成されるもの
ステップ2:外国語名の確定
企業の外国語による名称とは、ベトナム語の名称をラテン文字系の外国語(例:英語、フランス語)に翻訳した名称をいいます。外国語に翻訳する際は、企業の固有の名称を維持し、又は外国語における相応する意味に従って翻訳する(例:Việt Nam⇒Vietnam、công ty TNHH⇒Co.,Ltd.)ことができます(法40条1項)。
ステップ3:略語の確定
企業の略称は、ベトナム語の名称又は外国語による名称を略記したものです(法40条3項)。
2.設例
例えば、弊社の場合は、以下の通りとなります。
3.おわりに
外国人では、ベトナム企業の名称を外国語名(ほぼ英語名)にて認識しています。有限会社は、英語では様々な表記がありますが、ベトナムでは「COMPANY LIMITED」もしくは「CO., LTD.」に統一されているようです。国名のベトナムはベトナム語では「VIỆT NAM」と2単語ですが英語訳は「VIETNAM」(たまに英語訳で「VIET NAM」の誤表記あり)となります。大文字か小文字かは、ベトナム言語のルールにより、全て大文字にするか、単語の頭文字を大文字にする方法のいずれかを選択します。