VIA Vietnam Co., Ltd

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No.275)相殺取引における税務上の留意点

相殺取引を行う際は、税務上のメリットを享受するために「追加書類」を作成する必要があります。この追加書類がない場合、買手側はその費用を損金として処理できず、それに係るインプットVATはコストになっていします。以下にて詳細をご説明いたします。

1.非現金決済を証明する書類

法人所得税上の損金算入および付加価値税の税額控除の要件において「非現金決算に関する書類」を保管することが規定されています。通常は、インボイスに記載された金額と同額が明記された「銀行取引明細表(Bank Statement)」を保管します。その銀行取引明細表が保管されていない場合は、当該費用は損金として認められず、支払ったVATはコストとなります。

2.相殺取引時の追加書類

相殺取引を行う場合は、上記1のインボイスと銀行取引明細表の金額が異なるため、以下の書類を別途作成する必要があります(通達219-15条4項a)。

  • ①相殺に関する合意書 *対象取引の明確化
  • ②相殺内容が明記された計算書類 *対象金額と相殺額の明確化

3.おわりに

相殺取引を行う際は、インボイス上(レッドインボイス)で相殺内容を明記することなく、売買契約書に基づく(通常通りの)インボイスを作成します。そして「相殺に関する合意書」と「相殺内容が明記された計算書類」を別途作成する必要があります。つまり、①(相殺前の)インボイス、②銀行取引明細表、③相殺に関する合意書、④相殺内容が明記されて計算書、のすべてを整備することことで、買手側はその費用を損金として処理でき、その費用に係るインプットVATを控除することが可能となります。