本日のテーマは「輸出委託加工契約書の必須記載事項が拡大ー契約・在庫・税関記録の整合性に注意 」です。
本件に関して、ベトナム政府は2026年7月22日、貿易管理法の詳細政令69/2018/ND-CPに代わる政令292/2026/ND-CPを公布しました。同政令は9月5日から施行されます。
1.輸出委託加工契約書の必須記載事項(改正後)
政令292第31条によると、輸出委託加工契約書には、以下を記載する必要がある。
- 契約当事者および加工を直接行う者の名称・住所
- 加工製品の名称・数量
- 加工賃
- 支払期限および支払方法
- 原材料等の明細および使用基準
- 加工に使用する輸入品および国内生産品である原材料・副材料・資材・部品および半製品の品目別の数量・価額
- 原材料、副材料、資材、部品および半製品の標準使用量
- 消耗資材の標準消費量
- 加工における原材料のロス率
- 加工のために賃貸、貸与または贈与される機械・設備の一覧および価額
- スクラップ、機械設備および余剰原材料の処理
- スクラップ、廃棄物および不良品の処理方法
- 加工契約の履行中および終了後における、賃借・借用した機械・設備および余剰原材料、副資材、資材、部品、半製品の処理原則
- 納品場所および納品時期
- 商品の商標および原産地名称
- 契約の有効期間
2.主な改正点
従来の必須記載項目は維持されているが、第5項と第7項が詳細化された。
第5項:原材料等の明細および使用基準
- 部品および半製品を対象に追加
- 使用基準を変更する場合、適用前に加工契約の付属書で合意(政令292-32条3項)
第7項:余剰原材料等の処理
- 部品および半製品を対象に追加
- 契約終了時だけでなく、契約履行中の処理も記載
3.おわりに
輸出委託加工用に輸入される原材料や機械・設備は、所定の条件の下、輸入関税および付加価値税が免税される。今回の改正により契約書の記載対象が拡大されたため、契約内容、実際の生産・在庫記録および税関上の数値の整合性を確保することが、これまで以上に重要となる。合理的に説明できない相違がある場合、輸入免税品の目的外使用を疑われ、追徴課税を受ける可能性がある。