本日のテーマは「EPEの3要件の不備による関税追徴リスク」です。本件に関して、財務省税関局は2026年8月7日、公文書20010/CHQ-GSQLを公布しています。
1.EPEの3要件
輸出入関税法第2条4項では、非関税区と国外との間で輸出入される物品は、関税の課税対象外とされている。また、同法の詳細政令18第1条10項では、非関税区とみなされるEPEには、IRCにEPEである旨が記載された時点から、上記税制が適用されるとしている(以下、「EPE関税措置」)。
EPE税関措置を受けるためには、EPEは、次の税関検査・監督条件(以下、「EPEの3要件」)を満たさなければいけない。
- 企業を周辺区域から区分する物理的なフェンスを維持すること
- 貨物保管場所において24時間365日稼働する監視カメラシステムを運用し、そのデータを税関当局に接続して閲覧可能な状態にすること
- 関連規定に従い、課税対象とならない貨物を管理するためのソフトウエアシステムを備えること
EPEは、操業予定日の30日前までに、EPEの3要件を満たしている旨を税関当局に通知し、実地検査を受けたうえで「適合確認書」の発行を受ける。
不適合の確認書が発行された場合は再通知できるが、最初の不適合確認書の発行日から1年以内にEPEの3要件を満たさなければ、EPE関税措置は適用されない。
2.EPEの3要件を満たさなくなった場合
公文書20010は、EPE関税措置を投資法上の投資優遇として取り扱い(*)、適合確認後にEPEの3要件満たさなくなった場合、次の対応が必要との見解を示している。
- 要件を満たしていない期間は、EPE関税措置を受けることができない。
- 要件を満たさなくなった時点から、新たな税関申告を行い、関税を納付しなければならない。
*投資優遇には、法人税の優遇、輸入関税の免除、土地使用料の減免などが含まれる。投資優遇期間中に、法令に定める投資享受条件を満たさなくなった場合、その期間については投資優遇を享受できない(投資法の政令96-23条3項)。
3.おわりに
監視カメラの故障や税関との接続不良により、EPEの3要件を一時的に満たさなくなる可能性がある。この場合、要件を満たしていない期間について、関税を徴収されるリスクがある。
EPEは、税制上の優遇措置を受ける以上、課された義務を厳格に履行する必要があるのは当然である。そのため、EPEの3要件を満たしているか定期的に確認することを推奨する。
以上。