本日のテーマは「EPEの監視カメラ―通達案に示された詳細要件」です。本件に関して、改正税関法(法律11/2026/QH16)の施行に向けた2026年8月19日付け通達案に基づき、ご説明いたします。
1.EPEの3要件
輸出入関税法第2条4項では、非関税区域と国外との間で輸出入される物品は、関税の課税対象外とされる。また、政令18/2021/ND-CP第1条10項では、非関税区域とみなされるEPEには、IRCにEPEと記載された時点から、上記税制が適用される(「EPE関税措置」)。
EPE関税措置を受けるためには、以下の3要件(「EPE3要件」)を満たす必要がある。
- ①フェンス
企業を周辺区域から区分する物理的なフェンスを維持すること
- ②監視カメラ
出入口となる門または扉、および物品を保管するすべての場所を、常時(休日・祝日を含む24時間)監視できるカメラシステムを設置する。映像データは管轄する税関当局にオンラインで送信し、EPE内で少なくとも12か月間保存する。
- ③貨物管理ソフトウエア
関連規定に従い、課税対象外の貨物を管理するためのソフトウエアシステムを備えること
2.監視カメラの詳細要件
通達案第67条は、EPEに対し、操業期間を通じて維持すべき監視カメラの要件を、以下のとおり示している。
設置場所
- 出入口の門・扉
- 物品保管場所
- 原料、資材、半製品、製品を保管する倉庫・保管ヤード
- スクラップ・不良品の倉庫
- その他の課税対象外となる物品の保管場所
*生産工場、事務所、食堂など、EPE内のその他の区域は、監視カメラの設置を求めていない。ただし、物品保管場所に該当する区域との区別が必要である。
撮影角度
- EPEの出入口のカメラ:
出入りする車両のナンバープレイト番号およびコンテナ番号を鮮明に記録できる。
- 物品保管倉庫の出入口のカメラ:
倉庫への物品の搬入・搬出状況、出入りする車両のナンバープレート番号、コンテナ番号、荷室の封印状態を鮮明に記録できる。
- 物品保管倉庫内・保管ヤードのカメラ:
撮影方向を変えて区域内を撮影できる方式または区域全体を見渡せる方式とし、物品が撮影されずに外部へ持ち出せるような死角が生じないようにする。
カメラシステムの運用
- 担当者の通知:監視・運用担当者の氏名・身分証明番号・電話番号を税関当局に通知すること。
- 稼働状態の記録:日誌を備え、稼働状況を記録・更新すること。
データの保存
- 保存場所:EPE内の記憶装置に保存すること。
- 保存形式:自社のカメラが対応する拡張子の中から、映像ファイルの拡張子を選択すること。
障害発生時の対応
- 通知義務:障害が発生した場合は、期限内に税関当局に通知する。
- 復旧期限:カメラシステムの障害では最長5日以内、通信回線の障害では最長3営業日以内に復旧する。
税関当局の責任
- 税関当局は、リスク評価に基づく年間監視計画を策定するとともに、カメラシステムの稼働状況を記録する管理簿を作成し、すべてのEPEについて少なくとも月1回の監視を実施する。
3.おわりに
EPEの監視カメラの設置・運用上の問題が多く生じていることを背景に、今回の通達案では詳細な要件が示されたものと考えられる。2026年8月7日付け税関局公文書20010/CHQ-GSQLは、監視カメラを含むEPEの3要件を満たさない期間について、EPE関税措置を受けられず、関税の納付が必要との見解を示している。したがって、EPEは監視カメラの設置・運用状況を定期的に確認することが、ますます重要になっている。