本日のテーマは「税務調査対象会社の選定基準の改正」です。
本件に関して、財務省は2026年7月1日、税務管理法の通達31/2021/TT-BTCに代わる通達94/2026/TT-BTCを公布しています。同通達は公布日から施行されています。
1.税務調査対象会社の選定プロセス(改正後)
通達94第17条によると、年度ごとの実地税務調査の対象会社は、原則として次の基準により選定される。
- 年間調査対象の90%以上:納税者の税務リスクレベルに基づいて選定
- 年間調査対象の10%未満:無作為抽出により選定
納税者の税務リスクレベルは、次の2つ評価指標に基づき、「高・中・低」の3段階に分類される。
- 付録Iに定める税法遵守度の評価指標
- 付録IIに定める税務リスクの評価指標
税務リスクレベルが「高」と判定された納税者から、原則として順に調査対象会社として選定される。
2.主な改正点
従来の通達31では、納税者の税務リスクは次の3段階で評価されていた。
- 税法遵守度の評価(4段階)
- 総合的な税務リスクの評価(5段階)
- 実地税務調査に関する税務リスクの評価(3段階)
通達94では、第2段階の「総合的な税務リスクの評価」が廃止された。
3.おわりに
企業としては、付録Iおよび付録IIに定める評価指標を事前に把握し、必要な対応を講じることで、本来は税務リスクが低いにもかかわらず、税務調査の対象会社として選定されるリスクを軽減できる。
付録I:税法遵守度の評価指標(28項目)
- 税務申告書の期限内提出率・修正申告の有無、行政処分の回数・罰金額、税金滞納の頻度、インボイス違反の回数・罰金額など
付録II:税務リスクの評価指標(191項目)
- 移転価格関連者取引、監査法人による監査意見、配当金の支払い、総収益と純収益の関係、オンライン事業による収入、電子ウォレットを通じた収入、違法インボイスの使用など