本日のテーマは「強制労働品の輸入禁止―米国追加関税を受けベトナムも導入」です。本件に関して、以下の資料に基づきご説明いたします。
- 貿易管理法の詳細政令292/2026/ND-CP(2026年9月5日から施行)
- ベトナム商工省公式WEBサイト(ベトナム商工省)
1.米国による追加関税
米国の対ベトナム追加関税は、以下のとおり推移している。
- 2025年4月2日:国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠として相互関税を導入
- 2025年8月7日:ベトナム原産品に20%、迂回輸出品に40%の相互関税を適用
- 2026年2月20日:米国最高裁が、IEEPAは関税賦課の法的根拠にならないと判断し、相互関税が終了
- 2026年2月24日:通商法122条に基づく10%の暫定輸入税を発動(同年7月23日に終了)
- 2026年7月24日:通商法301条に基づき、ベトナム原産品に12.5%の追加関税を発動
米国は、強制労働品の輸入禁止制度を導入していない、または実効的に執行していない60カ国を調査し、対応状況に応じて10%または12.5%の追加関税を適用している。ベトナムは、輸入禁止制度が不十分であるとして、12.5%の追加関税の対象とされた。
2.ベトナムの対応
米国が求める輸入禁止制度への対応として、政令292により、2026年9月5日から次の物品の輸入を禁止する。
- ベトナムが加盟する関連国際条約(例:国際労働機関(ILO))に従い、企業、国または地域における強制労働によって、全部または一部が採掘、生産または製造された製品・商品
「全部または一部」とされているため、完成品の製造工程だけでなく、原材料や部品の生産段階で強制労働が使用された場合も対象となる可能性がある。
3.おわりに
中国産原材料を使用してベトナムで製造し、米国へ輸出するベトナム企業にとって、原産地管理は引き続き重要である。これに加え、今後、強制労働が疑われる中国産原材料(例:中国の新疆ウイグル自治区で生産された原材料)については、ベトナムへの輸入自体が禁止される可能性がある。