ベトナム販社がEPEに販売する際に利用する「保税倉庫内取引」がベトナム商工省より認められないとする見解が出ていることをご存知でしょうか。以下にて詳細をご説明いたします。
1.ベトナム販社からEPEへの販売
外国資本のベトナム販社(以下、ベトナム販社)は、輸入権や流通権(卸売・小売)を行使して、通常、海外から商品を輸入して(自らが輸入通関をして)ベトナム企業に販売する取引を行っています。しかし、EPEへ販売する際は、ベトナム販社が輸入通関を行うと輸入関税とVATが発生してしまうため、自らが輸入通関をしない「保税倉庫内取引(保税倉庫内で外国企業からベトナム販社そしてEPEへ販売)」や「洋上取引(ベトナム企業が輸入通関前に外国企業から購入し、輸入通関前にEPEに販売)」が行われています。
2.保税倉庫内取引は適法取引なのか
外資系企業のトレーディング活動を規定する政令09/2018/ND-CPの第7条4項によると「流通権を有する外資系企業は、ベトナム国内に適法に輸入されたもしくはベトナム国内で生産された商品の卸売・小売を行う権利を有する」としています。ここで、保税倉庫内取引と洋上取引は、ベトナム販社が輸入通関を行わず販売を行っているため(つまり、適法に輸入されていないと解釈され)、ベトナム商工省より「外資系企業には認められない」とする見解が出されています。
3.おわりに
ベトナムでは、タイ国にあるような商社版EPEに関する規定が存在しません。ベトナム企業にとって重要な輸出を行うEPEを発展させるためにも、その重要な仕入先であるベトナム販社に対して商社版EPEを認め、輸入関税や輸入VATが発生することなく、外国企業、ベトナム販社、EPEへの商品販売が適法かつ迅速に行われることが望まれます。