ベトナムの勘定科目コード表を見ると、いくつか見慣れない難しそうな勘定科目があります。今回はその内の為替換算調整勘定をご紹介いたします。
1.為替換算調整勘定
ベトナムの勘定科目コード一覧表には、純資産の部に為替換算調整勘定(コード413)があり、さらに外貨建貨幣性項目換算調整勘定(コード4131)と営業前為替換算調整勘定(コード4132)に分類されます。
1)外貨建貨幣性項目換算調整勘定(4131)
期末時点の外貨建貨幣性項目は、資産項目は、企業が通常取引を行う商業銀行の期末日における「買いレート」で、負債項目は「売りレート」にて期末日に換算します(通達53-1条)。そして、実際に仕訳を行う際に、4131が以下の通り使用されますが、経過勘定的な役割であり、期末のBSにおいて4131が表示されることはありません(通達200-69条)。
2)営業前為替換算調整勘定(4132)
営業前に発生した為替換算差額を計上する勘定科目であり、資本の部に累積された金額は、営業後、金融収益又は損益に振り替えられ費用化されます。期末のBSにおいて4132は表示されます。なお、当該科目は、国営企業(国家が100%資本を有する企業)のみに適用されます(通達200-69条)。
2.おわりに
ベトナムの勘定科目コード表をみると、見慣れない難しそうな勘定科目があります。これらは国営企業や特定のケースのみに適用されるものであり、一般的な日系企業では使用されることはありません。今回の為替換算調整勘定では、日系企業の期末BSにおいて表示されることはありませんが、期末の外貨建貨幣性項目の換算において経過勘定として使用されていますので、ご留意ください。