EPEでは、本来の輸出向け製造事業以外に、様々な活動(例:加工サービス、保守修繕、コンサル)をベトナム国内企業向けに提供しています。今回は、このような活動を行う際の留意点についてご説明いたします。
以下の法令を根拠としています。
<工業団地に関する主な法令>
・2008年3月14日付け政令29/2008/ND-CP(政令82に置き換わる)
・2013年12月11日付け政令164/2013/ND-CP(政令82に置き換わる)
・2015年11月9日付け政令114/2015/ND-CP(政令82に置き換わる)
・2018年5月22日付け政令82/2018/ND-CP(2018年7月10日より有効)
<外資企業によるトレーディング事業に関する法令>
・2007年2月12日付け政令23/2007/TT-BTC(政令09に置き換わる)
・2013年4月22日付け通達08/2013/TT-BTC(政令23の詳細規定)
・2018年1月15日付け政令09/2018/ND-CP(2018年1月15日より有効)
1. EPEによるNON-EPE事業
EPEとは、従来より「輸出加工区で設立され運営される企業、または工業区又は経済区内で輸出製品の製造に特化する企業」と定義されています。それゆえ、EPEが輸出目的の製造事業以外(以下、NON-EPE事業)を行うことができるのか不明確な状況が長い間続いていました。1)販社事業2013年6月7より有効となる通達08の第6条にてEPEが輸出入権と流通権を取得できることが明確になっています。2)販社事業以外のNON-EPE事業現時点では、EPEが販売事業以外のNON-EPE事業を行うことができるのか、法令上は明確になっていません。
2.公文書81739/81740
2018年12月13日にて、ハノイ税務局は公文書81739/CT-TTHTと81740/CT-TTHTを発行しています(以下、公文書81739等)。公文書81739等では、EPEが販社事業以外のNON-EPE事業を行う際は、以下の履行義務があるとしています。
- ベトナムの国内企業に提供するサービスに関するライセンスの取得
- 会計帳簿の明確な区分(EPE事業とNON EPE事業)
- VATインボイスの使用(控除法を選択した場合)
3.おわりに
実例として、多くのEPEが販社事業以外のNON-EPE事業を行っています。EPEがNON-EPE事業を行う際の最大のリスクは、本来のEPE事業に付与される税務優遇(関税とVATの免除)が何らかの理由で不正享受とみなされ、多額の追徴課税を受けることです。そこで、EPEは自らに科せられる義務には細心の注意が必要であり、その義務に違反することがあれば、その税務優遇は適用されず、厳しくVATや関税が課せられることは当然の結果と考えます。