複数の出資者の持分比率はドンとドルのどちらの資本金通貨で算出するのでしょうか。本件に関して、2016年12月7日にて、計画投資省は公文書5437/BKHDT-DKKD(以下、公文書5437)を発行しています。
1.会社設立時の資本金の通貨
IRCとERC(以下、ライセンス)には資本金がドン建とドル建で記載されています。その為替レートに関する詳細規定は存在しないため、申請書作成時点の為替レートが任意で使用されています。会社設立時には、外国投資家はライセンスに記載された外貨で拠出します。
2.出資比率を決定する資本金通貨
複数の出資者がいる企業が増資する場合、適用する為替レートの(設立時との)違いにより、ライセンス上のドンとドルの資本金による出資比率が異なることがあります。本件に関して、計画投資省はドンナイ省向けに公文書5437を発行していますが、残念ながら、どちらの通貨を基準にするのか明確に規定しているとは言えません。実務上は、以下の通り、各省や市の計画投資局によって取扱いが異なるようです。
- ドン:ハノイ市、ホーチミン市、ビンズン省(*)
- ドル:ドンナイ省
*増資時のライセンス修正手続きでは設立時の為替レートを使用
3.おわりに
複数の既存出資者もしくは新たな出資者から追加の出資を受ける際は、その出資比率の確定において、ライセンス上のドンとドルのどちらの資本金通貨を基準にするか規定上は不明確です。したがって、関連当局に事前に確認のうえ進めることをお勧めいたします。